













山梨県、南アルプスの南端にそびえる標高1982mの七面山。古来より山岳信仰の対象で、山頂付近の一の池には天女が宿るとされてきた。永仁5年(1297)、日蓮聖人の高弟・日朗上人が、亡き師の願いを受けて一の池のほとりに天女を祀った。それを起源とする敬慎院には神仏習合が色濃く残り、今日も僧侶たちが天女へ祈りを捧げる。
参道入口と敬慎院の標高差はおよそ1400m。車道やロープウェイはなく、深い森の中をひたすら登らねばならない。それでも多くの人々が想い・願い・祈り・悩みを抱え、歩を進める。2010年春から敬慎院へ登り続けているが、山の霊気、風の匂い、東の空から昇る朝日と、暗闇から浮かび上がる富士山、森羅万象が自分の五感を研ぎ澄ましてくれる。何より敬慎院を取り巻く人々からは、失われつつある日本人の心が見えてくる。
敬慎院の扁額には「感應」の二文字が刻まれている。心への感応を頼りに、山の自然や人々へ静かにレンズを向けた。
■2012年5月22日~5月31日にコニカミノルタプラザにて写真展を開催。2013年1月に平凡社より写真集を発刊。
北京では五輪開催を契機に空前の大開発が行われた。しかし悠久の時が流れるこの町そのものは、そう急激に変わるものではない。変わっていく景観と変わらない風土。五輪前年の2007年から北京へ足繁く通い、両者が交差するポイントを「門」に見つけた。巨大な碁盤の目には無数の、そしてさまざまな貌の門が、街と人とを隔てていた。
■2010年10月29日~11月11日にエプサイトギャラリーにて写真展を開催。玄光社ムック「カメラ・ライフ Vol.11」にて特集。

「甦る五重塔 身延山久遠寺」
2010年・平凡社 A4変形版・103ページ・税別3800円 ISBN9784582277777 Amazonページへ
「感應の霊峰 七面山」
2013年・平凡社 B5変形版・74ページ・税別2800円 ISBN9784582277968 Amazonページへ
「山梨県早川町 日本一小さな町の写真館」
2016年・平凡社 A4変形版・128ページ・税別3800円 ISBN9784582278262 Amazonページへ

「いい写真を撮る100の方法」
2022年・玄光社 A5版・224ページ・税別2000円 ISBN9784768316764 Amazonページへ
■ 鹿野貴司 [Takashi Shikano]
1974年東京都生まれ。
多摩美術大学映像コース卒業。さまざまな職業を経て、広告や雑誌の撮影を手掛ける。
日本大学芸術学部写真学科非常勤講師、埼玉県立芸術総合高等学校非常勤講師なども歴任。
個展
「Tokyo Sunny Day」2003年・コニカミノルタプラザ
「甦る五重塔 身延山久遠寺」2009-10年・キヤノンギャラリー銀座、日本外国特派員協会など
「Beijingscape」2010年・エプサイトギャラリー
「感應の霊峰 七面山」2012年・コニカミノルタプラザ
「山梨県早川町 日本一小さな町の写真館」2016年・新宿ニコンサロンなど
「たけたのひと、たけたのいろ。」2017年・TAKETA ART CULTURE/大蔵清水湯
「しましま」2018年・GLOCAL CAFE IKEBUKURO
「明日COLOR」2020年・ルーニィ247ファインアーツ
「#shibuyacrossing」2020年・ソニーイメージングギャラリー
「身延山」2020年・ナインギャラリー
「まちまち」2021年・ケンコートキナーギャラリー
「PARIS PARIS」2021年・喫茶ランドリー本店
「MADE IN HERE」2021年・喫茶ランドリー本店
「煩悩の欠片を燃やして菩提の山へ走れ」2022年・ナインギャラリー
「それは光のしわざ」2022年・喫茶ランドリー本店
※撮影のご依頼は hello@tokyo-03.jp までお願いいたします。